<『取戻しの旅』マーレイコッドフィッシィングツアー>
私はどちらかというと釣キチではありません・でもマーレイコッドにはまってしまいました。マーレイコッドの魅力はつきないです。
東京生まれ東京育ちで、まともな釣はあまりしたことがなかったのです。ルアーでバスを釣にいった経験もそれほど多くありません。本物の初心者。しかし他の初心者と違うのはコンプレックスです。シティー育ちなので幼少の頃から『大自然の中で釣りしたい!』『大自然の中で遊びたい!』という思いを強く持ち続けていました。社会人になると仕事に追われ、これまた中々休暇がとれない日々。こんな思いが爆発したのが今回の『偉大なる取戻しの旅』マーレイコッドフィッシィングツアーでした。今回のツアーのメンバーはマーレイコッドは4回目の釣行でマーレイコッドに一番詳しい「グードゥー伝説」の著者こと釣師小次郎氏、そしてガイドはもちろんクロさんの計3名です。そして今回のツアーを結論から言えば、私が一番「爆裂」したのでした。釣師小次郎氏もア然とするほどの爆釣ぶり。合計40本の大釣果!!地元フィシャーマンに『いつも、こんなに釣れると思うなよ!』と言われるほど楽しませてもらいました。コンプレックスを抱えた初心者はタダ者ではありません。小次郎氏も絶賛するほど執念のキャストを繰返し、腕が腱鞘炎になるほど魚とのファイトを楽しむことができたのです。
<シドニーから国内線でアーミデルへ>
成田からカンタス航空でシドニーへ向かう途中。機内で映画を2本も見て一眠りするとシドニーに到着。続いて国内線(ドメスティック)でアーミデルへと乗換するのですが、難しいことではありませんでした。勘の良い人なら看板だけ見ていれば国内線乗換はできるでしょう。しかし私は勘が悪いので、人に聞いたりしましたが、看板が付いているので結局それを指差されて、『あっちに行け・・』といわれたとおりに行ったら乗換ができました。但し乗換は一度、シドニー空港から出た形にになり、再度国内線で荷物チェックをしっかりやるので時間がない場合はすぐに移動した方が良いと思います。国内線のアーミデル行きは小さい小さいプロペラ機です。こんなの初めてと思うぐらい小さかった、八丈島へ行ったときもあんなに小さくなかった。カンタスは無事故らしいから心配は要りませんでした。スッチーがかなり綺麗で降りるときに写真を一緒に撮りました。日本人ですね〜。事前にクロさんから国内線のチケットについては「Eチケット」と言ってネットから予約を入れて購入し、すんなりチェックインすることができました。これはネットで取得した番号のコピーを見せるだけです。それに日本で国内線を買うより、かなり安かったと思います。
オーストラリアでは現地入りしてから通常、フィッシングライセンスを釣具やインフォメーションセンターで購入しなければいけませんが、今回インターネットでフィッシングライセンスをクロさんに取得してもらったので、到着から余計な手間はかからず、マーレイコッド釣場へ直行です。
<環境抜群!リバーサイドキャンプ>
さあ、いよいよ釣場へに到着です。早速、リバーサイドでキャンプの準備です。私は初心者マークとはいえ、オーストラリアへは今回が4回目です。2年前はケアンズにバラマンディーを生意気にも釣にに行ったことがあったのです。70センチのバラマンディーを釣ったんですよ。まぁ〜まぁ〜でしょ。ところでケアンズ場合は、ガイドを雇ったときはホテル送迎だった為、釣場に到着が9時頃で釣が終るのはまだ陽が明るい5時前だったと思います。初心者マークでもやっぱり『朝マズメ』『夕マズメ』とかやりたいじゃないですか。 でも一番釣れそうな時間帯は出来なかった訳です。それに比べ、今回は環境抜群「リバーサイドキャンプ」、おまけにナイトフィッシングだってできる。つまり一日中すぐ隣で釣りできちゃうわけですから、本当に最高でした。またトイレも歩いていける場所に農場主の家があり、安心です。釣から帰ったとき牛君がテントの周りに居ましたが、『ビーフステーキ!ビーフシチュー!』とシャウトしたら走って逃げましたよ。オージービーフは素直ですね。それに日が暮れるのが2月の場合8時前後なので初日からかなりの時間釣りができました。朝は6時から明るくなり釣ができました。農場の私有地にテントを張り釣りをしたのですが、食事は農場主の家でとらせてもらいました。地元のレストランとか田舎だから町まで行かないと無いのですが、そんなところより家庭料理は『すんばらしい。』オージーの家庭でも料理が得意な主婦の作ったものは、本当に美味しいのです。おかげで私は帰りまでに4K太ってしまいました。それからお家の人と色々なお話をしました。これ英会話スクールだったらかなりのレッスン料とられるでしょーねー。楽しかったです。クロさんは4年前からマーレイコッドツアーの為にこんなコネクションを広げてきて今ではこの地域のほとんどの釣場を知っています。 何よりもクロさんはガイドの前に釣が好きですよね。小次郎さんが言っていましたが、間違いなくクロさんが日本人で一番マーレイコッド釣っていて、現地に詳しいだろうということです。特にかなりのガイドとコンタクトをとっているので最新情報をつかみ、現場の状況によってもスケジュールを変えられるので、私でも釣れるのだそうです。(これは一人の現地のガイドより情報量や釣場の種類もはるかに多い!)それから日中は暑くても夜はそこそこ寒くなったりしますので、温度差に注意は必要です。ワニがいるかと思っていましたが、インバレルは標高が高いため、冬に雪が降るほど寒い地域なのでワニはいません。川に危険な動物はいないので安心でした。毎日川にいましたが、カモノハシとトカゲは見ましたがヘビを見かけることはありませんでした。カモノハシはとても珍しい動物です。このカモノハシを見るためにツアーがあるくらいです。今回釣ををしていて3度も見ることができました。マーレイコッド釣りをしていると簡単に見つけることができますよ。
<初日から『コングラジュレイション、マイト!』>
初日宿泊地のテント設営を終えても、まだかなり明るい陽射しでした。さっそく釣具の準備です。私のタックルはスピンニングタックルで、初心者には扱い易いものです。他のメンバーはベイトキャストという少し難しい道具を使ってますが、私はこれでOK!静かな農場の中を流れるリバーで早々ルアーを投げはじめました。まだキャストになれていない。 (ルアーを投げるのはなんと2年ぶり)何回か投げるとすぐに『ヒット!!ヤッター!』第一号のマーレイコッドです。『グレート!タスマン!』遠くで小次郎氏が叫んでいます。私の心臓はバクバクです。初物。お初。初マーレイちゃん。『ヒューヒュー!』地元ルアービルダーの子供さんカール君がついてきていて、『コングラジュレイション、マイト!』よし絶好調!ところがクロさん・・・なんて言ったと思います?『わーこんな小さなマーレイコッド見たことないやぁ!こんなのいたんだぁー。』日本のバスでは普通サイズなのではないでしょうか?30センチクラスでした。そんなに小さいのかと思い、写真を撮らずにリリースしようとすると、小次郎さんが駆けつけてきて、『タスマンさん!初物は写真ぐらい取らなきゃ〜』と言われました。しかし、しばらくするとクロさんの言った意味が良く分かりました。ちなみにオージーはなんでも最後に「マイト!」を付けます。
<初日から10本をキャッチ!!>
その後まだまだキャストがうまくいかない中。『ヒット!!ウッソー!!こんなに連続でくるの〜!』釣師小次郎氏が選んでくれた地元ルアービルダーの釣れるルアーをしばらく投げただけで次のヒット。 ピーターレッドマンの「チェイサー」のグリーン系のやつです。全然いいところに投げられないので、再びキャストしようとルアーを巻上げ、まさにルアーを持ち上げようとした瞬間、足元で、『ガッツ〜ン』と持っていかれました。『ドヒェ〜!!何だこりゃ〜!すげ〜!』心臓バクバク状態でファイト開始!手元まで寄せても『バッサン〜バッサン〜』暴れまくりの暴れん坊将軍。50センチはあるレギュラーサイズでした。凄くきれいな緑の模様ラインはアボリジニのデザインのような天然の美しさを誇らしげに表現していました。『コングラジユレイション、マイト!』カールくんがニコニコ笑っていました。彼はこのルアーを作った「ピーターレッドマン」氏の長男です。、この川には数え切れないほどの回数遊びに来ています。『今まで何回ぐらい来たの?』『ヒープ・オブ・タイムス』←数え切れない沢山ということ。とにかくこの川はとても環境が素晴らしく、大自然のなかで、ユーカリの木に囲まれ、野鳥が鳴き、カモノハシが泳いでいる何ともいえない雰囲気です。たまにコアラも木の上で休んでいるそうです。『サンクス、マイト!』・・・『グレート!!』クロさんと釣師小次郎さんが叫んでいました。その後、投げる度に魚がチェイスしてきます。おいおい、初日からこんなに来ちゃっていいのかよ!小次郎さんは『タスマンさん!やばいよ!飛ばしすぎ!』と言っていました。結局私は初日から10本も上げてしまいました。初日からこの調子で後がメロメロになるのではないかと心配になりました。ところが、ところがマーレイコッドフィッシィングツアー恐るべし!その後私は50センチクラスのコッドを釣っても『あぁ〜
このマーレイコッド小さいや〜・・・』と言うようになるのでした。
<トップで釣るという興奮!!>
翌日も夢中でルアーを投げていました。『釣堀よりつれるじゃない!』と私が言うと、小次郎さんが『タスマンさん、日本の釣堀はこんなに釣れません!しかし、こんなにリバーのコンディションが いい時はそうそうないんですよ。それに、タスマンさんは日頃のうっぷんをも炸裂させて釣運が良すぎますよ。』と言っていました。私は同じつりならエサでもルアーでも何でも釣れればOKという立場でした。ヒットが続き興奮していましたが、翌朝よくよく見るとクロさんも小次郎さんも水面にパコパコ、パコパコ・・・とトップのルアーを投げているじゃないですか?初日は「チェイサー」にツキがあると見てそれ一本でした。『タスマンさんトップやってみれば!』と小次郎さんが「デプスチャージ」のグリーン系をタックルボックスから出して渡してくれました。< これだけ釣運が良ければ私にもできるだろうと思い、しばらく投げていましたが、どうもルアーを引くときに『チャポチャポ』と良いリズムで引けません。『タスマンさんトップの興奮を知ったらやめられませんよ!ターキーさんなんかトップしかやらないんですから!=ターキさんはこのHPに出てくる体験記の人です』と小次郎さんに言われました。しばらくして『チャポチャポ』←パコパコと良いリズムでルアーを引けるようになると・・・いきなり『ズボ〜ン』・・・『ズッバ〜ン』という感じ、水面に石を投げ込んだと言う感じで・・『ヒット!ヒット!スゲー・スゲー・!!』『タスマンさんやばいよあんた!』と小次郎さんが叫びました!今度こそ心臓が止まるかと思いました。午前中の静かなリバーでは鳥の声しか音はありません。これほんとに心臓の弱い人はやめたほうがいいです。はじめてのトップ・・すごいファイト・・55センチがバシャバシャ暴れる暴れる。『スゲートップ・スゲートップ・スゲートップ!!』私はかなり興奮していたと思います。小次郎さんが『ナイスフィッシュ!』 とコッドを手繰り寄せてキャッチしてくれました。『タスマンさん!あんた何者!うそでしょう!』・・・確かに私は初心者マーク、しかしコッドさんとご縁があるというか、なんと言うか、ありがたいと言うか、いゃぁ〜参りました。驚きました。心臓が高鳴りました。ぶっとびました。『トップってすごい〜。』迫力が違う。ただでさえマーレイコッドさんは凄いのに、鯨みたいに『ズッバ〜ン』でしょ。信じられない時というか空間に舞い込んでしまったような背筋がすっ〜うとしました。地元のフィッシャーマンがマーレイコッドのヒットする時の話しをするとき、鯨が水面に出るような手の動きと『ズッバ〜ン〜』というような音で表現します。この後だれと話をしても『ズッバ〜ン〜』という表現だと分かりましたが、でもこれはメートルオーバーのモンスターの音なのでしょうか。クロサンもその音を前回ターキーさんと聞いたと言っていました。モンスターでなくてもこれなのに、モンスターだったらどうなるんでしょう。
<『タスマンポイント』でトップに連続ヒット!><
私がトップで始めて出したのは倒木があるポイントの根っこの辺りにルアーを落とした瞬間でした。1匹目をリリースしてもう一度同じポイントに投げると、落として引き始める瞬間『ズッバ〜ン』・・・『うそでしょ・うそでしょこれ!』・・・『これマジでした。一度体験済でもやばいよこれ!』いやぁ〜真夏の肝試しで急にお化けが出てくるような、ドキドキもんというか、健康に悪いほどの快感!またもや小次郎さん『タスマンさん!ほんとにやばいよ!どうかしてるよ!』・・・『こんなことってあるんですかねぇ。』小次郎さんは『こんなことはありませんよ!』と言い切っていました。初めての体験で心臓を傷めたのにこんなに早くもう一度来るなんて、ブッシュ大統領がフットボールを見ながら椅子から落ちたと言うが、そんなものではないのです。トプゥォーター恐るべし!興奮の連続だけど私はトップ2号のマーレイコッドに別れを告げてリリースしました。なんと・なんとすぐ直後!・・・小次郎さんがその場所でまたもやトップでヒットさせました。『グレートッ!』小次郎さんの叫び!現場はめちゃくちゃな興奮状態になりました。小次郎さんがあげたのもグッドサイズ60センチオーバーだったでしょう。いい色艶のマーレイコッドでした。ほんとに綺麗。この倒木は『タスマンポイント』と呼ばれその後このポイントで何匹出したことやら、トップのエキサイティングなゲームフィッシィングを体験させて頂きました。この日も私の勢いは止まりませんでした。
<『秘境』でモンスターとご対面>
リバーでご機嫌な釣果を収めた 我々はレイクに流れ込む秘境とも言える源流に行くことになりました。かなりスピードのでるボートで40分以上かかっただろうか。レイクの一番奥に流れ込む源流の手前についた。こんな秘境はワンシーズンで何人が訪れるのだろうか?あたりには当然、誰もいない。ボートがこれ以上行けないところで降りて止め、岩場を流れるリバーをさらに上流へ歩きながらポイントを見つけてはキャストする。私のような初心者マークはここまで来ると、あまりの自然に『もう釣れなくてもいいや』と思ってしまうような美しいところです。誰も居ないというのはうそでした。野生のヤギの群れ10頭ぐらいのかたまりが『メェーメェー』と泣きながら崖のようなところを登っていくのが見えました。 本当に静かで美しいところです。景色に見とれていると、釣師小次郎さんはどんどん歩いてポイントをめがけてあがって行きます。ルアービルダーの息子さんカール君も小次郎さんとあがって行きました。『秘境』そんな言葉がぴったりの静寂です。なんと!そこでいきなり小次郎さんが『ヒッ〜ト!』・・・まさに絶叫!『ナイス!』ファィトが続く。そのそばでカール君が『イェーイ!ヒッ〜ト!』と叫び声!彼はさすがに余裕で歌まじり。ダブルでヒットしました。私は後に居ましたので、まさにやらせの釣り番組のように二人でファイトしています。カール君は『ビッグワン!ビッグワン!イェーイ!』と絶叫!クロさんも興奮してそばに来ました。暴れる暴れるマーレイコッド!小次郎さんがあげたのは60センチクラスだったでしょうか。カール君の方は80センチオーバーでした。『こんなところに、こんなん居るの!』本当に美しいマーレイコッド!模様はグリーンに輝き本物の自然を満喫させてくれました。私はあまりのすばらしさに、『サンキュー・マーレイコッド!』と大自然とレイクとリバーに心の底からお礼を言いました。すばらしい雰囲気のところでした。 その後しばらく登っていくとリバーのみずがたまり、かなり深そうな、がけ下のストーンと落ちている場所がありました。クロさんが『タスマンさん。ここには大物居ますよきっと。』と言ったので、しばらくここでルアー投げてみようと思い、次に使ったルアーはジェイミーの「スカウト」を潜らせて何度も投げてみました。 『いねーや、ここ!居そうだけど・・・』と思い投げたルアーを引き寄せていると、いきなり『ガツ〜ン』という衝撃!『うっそー!』と思い竿を立てると、リールはまったく動きません。一瞬『地面釣ったか!』と頭をよぎりましたが、今までにないものすごい引き、まったく魚が寄ってこない。10〜15秒ぐらい竿立てて踏ん張っていると、いきなり魚がこちらに向かって走り出しました。その瞬間に水面にうちわのような尾っぽが『ばっしゃ〜ん』と炸裂!爆裂!大きな水しぶき!『モンスターマーレイコッド!!』こちらに挨拶をするように水面を叩くと、フックをはずして、すぐさま深くに潜っていきました。私の心臓も爆裂・動悸が激しくなり、息があがってしまいました。『オーマイガッド!これは映画?』・・・バラした事とモンスターに出会ったことが頭の中を同時によぎり、唖然だけどすばらしい瞬間でした。(あとから釣れたクロさんの大物90センチよりも一回り以上大きな尾っぽでした) 逃がした魚は大きい、間違いなく20キロはあるメーターオーバーでした!小次郎さんもグードゥーハンターのジェイミーも言っていましたが、大物はクレイバーです。スマートな動きで1度しかルアーを追いません。2度は絶対にこないそうです。その後、ジェイミーのルアー「マッドアイ」を使って岩場でクロさんが80オーバーを釣ってしまいました。
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<プライベイトレイク>
リバー・秘境とよい釣果をあげたあと、プライベートレイクに行くことになりました。事前の情報ではかなりコンディションが良いとの事でした。しかし連日の日中40度以上の暑さでレイクの温度が上がってしまったため、かなり厳しい状況です。朝からボートでポイントにキャスト・キャスト・キャスト投げに投げました。しかし全くバイトもなく、小次郎さんがナイスサイズのゴールデンパーチを釣り上げただけでした。しかし釣師小次郎さんの凄いところはどんな状況でも必ず釣ってしまうんですね。コンディションが良くないので、クロさんが予定を変更してスケジュールを変えてくれました。
<グードゥーハンター・ジェイミーと釣り>
幼少の頃からインバレルに住み釣りが生活の一部となり年を重ねてきた人、グードゥーハンターこと「ジェイミーフレッド」と釣りをする事になった。グードゥーとはアボリジニの呼び名でマーレイコッドを指します。彼はクロさんとのつながりはもちろんだが、釣師小次郎さんとの大の親友でもある。今回は小次郎氏のリクエストでジェイミートのとブッキングとなった。釣場も大物狙いのスペシャルポイントで通常は日本人を案内しない場所である。ここでジェイミーの紹介をしておきたい。彼は唯一のグードゥー専用のルアービルダーであり、『マーレイコッドの皇帝』である。この魚に関しては『神の領域にいる人』だ。『オーストラリア伝説の巨大魚
グードゥー』のビデオの最後に120センチのモンスターマーレイコッドをガンガン釣りまくっているの も彼の映像なのだ。(ビデオはこのサイトで売ってます!)彼が釣ったマーレイコッドの数は半端じゃない。最初に使用したロッドで3000匹以上釣ったと古いロッドを見せてもらったけれども、『何本のロット今までに使ったの?』とは聞けませんでした。インバレル周辺で、釣りをしている人で彼を知らない人はいないのだ。彼がモンスター抱えている写真は、この町近郊のインフォーメーションセンターなどに行くとかならず見ることができるのだ。ジェイミー曰く『オーストラリアで一番楽しい釣りは、一番がマーレイコッド、二番がバラマンディーだ!』と。そもそも私がマーレイコッドを釣りたいと考えたのは村田基さんのテレビをみたからである。村田基さんが釣っていたマーレイコッドはナイスサイズでいい型でした。この村田基さんの釣りシーンが目に焼きついていたところに、偶然にも『オーストラリア伝説の巨大魚グードゥー』のビデオを見て、頭の中の血管は完璧に切れてしまったのでした。グードゥーハンター・ジェイミーフレッドのあの最後のシーンに出てくる、あのモンスターは何なんだ!圧巻のシーンの連続。この世のものとは思えない。そしてグードゥーハンター・ジェイミーフレッドは知れば知るほど『神の領域にいる人』・『マーレイコッド皇帝』ということがよく分かった。
<皇帝ジェイミーが作っている『ポパイ』というルアー>
ツアーに参加する前に、どんなルアーが良いかと一番詳しい小次郎氏に聞いてそろえた中に『ポパイ』というルアーがありました。長さ18cm重さ110gのドデカイルアーです。 オーストラリアに行く前にうちの息子がそれを見て『おとうさん、こんなのでつれるわけないじゃない。』と言っていたが、本当にこのルアーでマーレイコッドを釣るまでは私も半分は息子と同じ考えでした。正直いって日本の感覚だとオモチャか置物にしか見えない。このルアーでどんな釣りをするのだろうか?不安に駆られながら、この日は小次郎さんもクロさんも私もこの『ポパイ』を朝から投げたのでした。クロさんが『ポパイでつりたいなぁ!ポパイで釣った日本人はまだいないのでは?』と言っていました。『さぁー!ポパイで釣るぞ!』初めこのルアーは重くてなかなかコントロールができませんでした。なんだか水に石を投げているような感じで、着水するときに『ジャ〜ボン』と水の中に落ちていきます。(すいませんキャストが下手なのでサミングなんてできませんから・・)『日本の魚なら100%これを投げたらどこかに逃げるよ!』と言いながら『ジャ〜ボン・ジャ〜ボン』と投げていました。マーレイコッドはこの音と衝撃を感じ獲物だと思って反応してくるのだそうです。そうそうこのルアー投げていたらウオータードラゴン(大きなトカゲ)がルアーを追いかけてきました。『さー迫力満点のポパイではじめにマーレイコッドを釣るのは誰か!
<『ポパイ』で釣った70cm!!>
ジェイミーと行ったのは静かな流れがないような川でした。ボートとカヌーに分かれてポイントに『ポパイ』をぶち込むといった感じです。『ジャ〜ボン・ジャ〜ボン』
考えられないねこの釣り・・・。魚がいる場所を荒らしているようなぶちかまし。凄い釣りです。こんな釣り方をしているだけで性格がワイルドになりそう。しかしこんなのどかな農場の中を流れる静かな川なんて東京周辺には絶対ないでしょう。まずスケールが違います。そんなことを考えているところへ・・・『ヒット!』静寂を破ったのは小次郎さん。なかなかのファィト。小次郎さんは『たまんね〜この快感!ナイスファィト!』とか言って結構陶酔するタイプです。60cmオーバーのいいサイズをポパイで早々あげてしまいました。やはり釣師は違います。しかし本当に見ただけで魚のいそうな川です。倒木のポイントも沢山あるし。魚が住み安そうな川の色。『さーポパイで二番目にマーレイコッドを釣るのは私!』と気合入れて投げました。しかし10回も投げると腱鞘炎を心配するようなルアーです。このルアーはとても頑丈ですが、岩とかに直接ぶつけると自分の重みで砕けてしまうので注意が必要です。『マーレイコッドは先に行く人がさんざん攻めたポイントでも後から同じところを攻めるとすんなり出る。』とクロサンが言っていました。 小次郎さんが散々攻めたポイントで『どう見てもここに居ないわけないよな』と思うポイントをポパイで散々攻めました。・・・『ヒット!来た〜ポパイ!いつもよりかなり強い引き!』『うぉ〜なかなか!いいサイズじゃないの〜これ〜!』クロさんが『タスマンさん!これ一回り大きいよ!』このファィトしている時の快感!なにものにもかえられません。結構手元まで引き寄せるのに時間がかかりました。凄いファィト!闘いました!なんと私が『ポパイ』で初めて釣ったマーレイコッドはナイスコンディションの70cmでした。私はもうすでに『ポパイの釣りの迫力』にとりつかれていました。普通のルアーが日本の野球なら『ポパイの釣り』は大リーグというところですか。ド派手な感じて、大胆で、バイトした瞬間の興奮度はとびきりです。このあとどれだけ『ポパイ』を投げて『ポパイ』で釣ったことか・・・私は50cmクラスでは満足できない体になってしまいました。寝る前に小次郎さんにシップ薬を腕に塗ってもらいました。
<いよいよ最終日>
小次郎さんの口癖『つりは自然を相手にしてるのだから、つれない時もつりはつり、こんな素晴らしいところでルアーを投げれること自体が幸せ!』かなりな境涯だと思われます。今回は一日一日がボーズなしで本当にどこもコンディションの良いところに連れて行ってもらいました。これは事前にクロさんが何人もの現地ガイドとコンタクトをとり情報収集し、コースを組み立てているからだと思います。自然との歯車がかみ合わない状況でのつりは私の様な初心者マークにはかなり厳しいでしうょう。『そんなに何時も釣れるとはおもうなよ。』といわれるほどの釣果に感謝しています。また小次郎さん、クロさんは本当にマーレイコッドが大好きなのでしょう。グードゥーハンター・ジェイミーとの『マーレイコッド釣り談義』は本当に奥が深かったです。この魚に対する愛情と信頼関係があるかのような哲学的なお話まで、為になりました。そして、ジェイミーが使っているマーレイコッド用のロッドは彼の友人のハンドメイドロッドでモンスターを専用に狙うものだそうです。 1本しかない最高のロッドを親友の小次郎氏はプレゼントされました。(うらやましい!)その後彼と小次郎さんのトークは深まり、日本にこのロッドを持ち返り、リメイクしてマーレイコッド専用ロッドを作るそうです。(小次郎さんマーレイコッド専用ロッドを友人と私でまず2本
予約させてください!よろしく!!)釣果がご機嫌なツアーも最終日、私とクロさん小次郎さんで同じカヌーで一番相性の良かったリバーに繰り出しました。60cmオーバーでも写真も取らないで、ハイリリース!今考えると写真は全部取っておけばよかったと思います。
でもほんとに釣れすぎました。そして最終日、なにかドラマを待っているような一日でした。
<マーレイコッドのビッグサイズは別物、怪物だ!!>
マーレイコッドを見ていると50cm・60cmぐらいのサイズはレギュラーサイズといっていましたが、このサイズは結構スマートです。70cm位になるとお腹がこってりと立派になってきます。クロさんが釣った80cmクラスだとお腹がどっぷりとして、肩幅が広く胴体がかなり太くなってがっしりしています。特にエラの張りがワイルドになり別の種類のようにも見受けられます。小次郎さんも『80cm以上のサイズは別物の姿。メートルオーバーはもっと別物』と言っていました。ジェイミーの話では90センチからビックサイズでメートルを超えるとモンスターと呼ぶそうです。
<メインイベントはクロさん>
さて最終日グッドサイズは何本も出しましたが、3人はドラマを待っていました。『柳の下にコッドがいる・・・♪』なんて歌いながら、皇帝ジェイミーの『ポパイ』
をガンガン投げていました。 ある柳の木の下に私が何回か『ポパイ』をぶち込んだ後、その柳の根元に『ポパイ』を『ばっしゃ〜ん』とクロさんがぶち込みました。
『ヒット!ヒット!』クロさんが叫ぶ。『クロさんデカイですか!』と小次郎さん、
『かなりでかいよ!』・・・『やばいもってかれる!』ガンガン暴れて、カヌーごともっていかれる感じです。『これはネットがないとあがらない!』まだ姿は見えません。『凄いファイト、クロさんガンバって!』水面に少し姿が見えたとたん『バッシャ〜ン』人間がバタフライキックしてるような水しぶき、私はびっしょりになりました。リールからラインをもっていくドラグの『カリカリカリ』とい音。『とんでもないビッグサイズ!』『ばれるなよ。ばれないでくれよ!』と小次郎さん。物凄いファィトが続きました。なんとか小次郎さんがネットにとりこみました。『でっけ〜!』
『すげ〜これ!』クロさんがうなりながら持ち上げたビッグサイズは、物凄い口の大きさ。肩幅の広さ、胴の厚み、エラのワイルドな張り、相撲取りのような腹。90cm/
13.5kgの大物マーレイコッドでした。重くて持ち上げられず、クロさんはひざのうえに彼を置き深呼吸しました。威風堂々のビッグサイズ!!今まで、生では見たことのない風格でした。クロさんが目の上のあたりに、『ありがとう、マーレイコッド!』と言ってキスをしました。マーレイコッド!本当に面白い魚です!また次も必ず行きます!そして次はモンスターを釣りたいです。

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